高校生が語る、日本と西洋世界の教育の差は?
- hayabusaracing2025
- 5月18日
- 読了時間: 3分

皆さんが高校生だった頃、自分の手で何かを生み出し、世界に挑んだ経験はありますか?
私が中学3年生のとき、F1 in Schools(当時はSTEM Racingと呼ばれていた)という、世界中の小中高生が自作のミニチュアF1カーのスピードとアイデアを競い合う国際大会に、福井のチームに無理を言って加えていただき、世界大会に出場する機会を得ました。
その舞台で目にしたのは、常識では考えられないような光景の数々でした。
約1000万円をスポンサーから集めた中高生のチーム
中高生を打ち破って国内大会を制した小学生のチーム
広報の一環として、自作のF1カーを宇宙に飛ばしたチーム
高速道路沿いに巨大な看板を設置したチーム
映画館に広告を流したチーム
大学の研究用風洞設備を借りていたチーム
そうした経験を経て、私は「世界と日本の違いは何か」を考えるようになりました。
まずは自己紹介をさせてください。
広尾学園高等学校2年生の山藤緑夏(サンドウ ロナ)と申します。現在、F1 in Schoolsに出場する高校生チーム「CHANGE HOLDINGS Hayabusa Racing」でプロジェクトマネージャーを務めています。3歳までカナダで育ち、その後小学校卒業までインターナショナルスクールに通い、中学受験を経て現在の学校に進学しました。
私が感じた「世界との差」を一言で表すと、それは「自立の度合い」です。
日本では、私たちのような高校生だけの自発的なチームが珍しいため、「大人の力を借りずにここまでやっていてすごい」と言われることがあります。しかし、世界大会に出場して感じたのは、それが特別なことではないという現実でした。海外の多くのチームは、学校のクラブ活動として、あるいは完全に生徒主体で活動を行っており、それが当たり前の文化として根付いているのです。
たとえば、日本でもサッカー部や物理部など、生徒が所属する部活動はたくさんあります。私自身、学校のサッカー部に所属しキャプテンも務めています。しかし、そこには決定的な違いがあります。それは、誰が組織を動かしているのかという点です。日本では多くの場合、スケジュールの管理や意思決定は顧問の先生が行います。一方で、海外のチームでは、生徒自身が予算管理から活動計画の立案までを担っていました。
この違いを生む要因の一つは、「教育における自由度」だと感じています。インターナショナルスクールと日本の学校の両方を経験している私にとって、その違いは非常に明確です。インターでは、自らの考えを発信し、プレゼンテーションを行う機会が多く、主体的に学ぶ文化があります。与えられた課題をこなすだけでなく、自分自身の関心や目標に基づいて行動する力が求められます。
私は、このような教育の違いが、生徒の自立性やチャレンジ精神、ひいては「世界で戦える力」に直結しているのだと考えています。
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