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クラウドファンディングのリアル —Hayabusa Racingの挑戦と学び

  • hayabusaracing2025
  • 4月18日
  • 読了時間: 4分

クラファン開始時のSNS投稿
クラファン開始時のSNS投稿

チームのクラファン:


近年、一時的にブームとなったクラウドファンディング。その仕組みを魔法のように捉え、簡単に資金を集められるものだと考える人もいるかもしれない。特に学生団体のメンバーの中には、「企業を回るよりも効率的に資金を調達できるのではないか?」と期待する者も少なくない。

実際、僕もその一人だった。

F1 in Schools(現在はSTEM Racing)という大会に出場するために必要な資金の一部をクラウドファンディングで賄えないかと考え、プロジェクトを立ち上げた。現在も進行中ではあるが、これまでの経験を通して学んだことをここに記しておきたい。


学生団体がクラウドファンディングを行う際のメリットとデメリット


クラウドファンディングを始める際に必要なものは、大きく分けて「銀行口座」と「リターン」の二つだ。しかし、この二つを用意することが学生団体にとって最大のハードルとなる。


1. 銀行口座の問題


高校生の場合、銀行口座をクラウドファンディングに使用することが困難だ。部活動などで既に団体名義の口座がある場合はまだしも、基本的に高校生個人の口座で資金を管理することは難しく、親の口座を使うと課税の問題も発生する。また、クラウドファンディングのプラットフォームによっては、未成年者の利用を制限している場合もあり、銀行口座の開設がスムーズに進まないことがある。


2. リターンの課題


クラウドファンディングでは支援者へのリターンを設定する必要があるが、これも大きな壁となる。例えば、Tシャツやオリジナルグッズをリターンとする場合、事前に製作費が必要となるため、元手がないとそもそも準備ができない。我々は幸いにもスポンサーからの支援があったため、リターンの準備ができたが、これがなければクラウドファンディングの開始自体が大幅に遅れていただろう。


3. 学生ならではのメリット


しかし、学生団体には大きな強みがある。それは、「学生であること」自体が強力な武器になるという点だ。

クラウドファンディングでは、「共感」と「応援」が資金調達の鍵を握る。高校生が何かに本気で取り組んでいると知ると、多くの大人は自然と支援したくなる。特に、明確な目標に向かって努力する姿は、多くの人々の共感を呼びやすい。学生だからこそ得られる応援の力を、最大限に活用することが重要だ。



クラウドファンディングの最大の勘違い


クラウドファンディングを行う際、多くの人が陥る勘違いがある。それは、「なんとなくお金が集まるのではないか?」という幻想だ。

資金はどこからともなく湧いてくるものではない。実際に誰かが自分たちのプロジェクトに価値を感じ、応援したいと思うからこそ、お金が集まるのだ。支援者の立場になって考えれば明白だ。自分なら、知らない学生団体に働いて得たお金を出すだろうか?何の魅力も感じられないプロジェクトには、誰もお金を出さない。

では、どうすれば支援を得られるのか?



学生団体がクラウドファンディングで資金を集める方法


クラウドファンディングで資金を集める方法は、大きく二つに分けられる。


1. 魅力的なリターンを用意する

知らない人からの支援を得る最も確実な方法は、魅力的なリターンを提供することだ。学生にとっては難しい部分もあるが、独自の視点やアイデアを活かせば実現可能かもしれない。

ただし、ここで注意が必要なのは、クラウドファンディングの目的が「お金を集めること」ではなく、「プロジェクトを成功させること」である点だ。リターンの準備に過度な時間や労力を費やすと、本来の活動に支障をきたす可能性があるため、慎重に検討する必要がある。


2. ひたすら地道に支援を集める


我々が実践しているのは、地道に支援を集める方法だ。

これは、通常のスポンサー獲得活動と同じように、個人や企業に直接アプローチする手法である。日本では、「企業としては支援できないが、個人として応援したい」というケースが多く、このような声を活かしてクラウドファンディングの資金を集めることができる。

さらに、家族や友人のつながりも有効活用すべきだ。例えば、親の職場の同僚や、友人の親など、身近な人々に話を広めることで、予想以上に多くの支援を得られる可能性がある。


3. SNSを活用する


情報拡散の手段としては、SNSの活用が不可欠だ。特に、日本ではX(旧Twitter)が拡散力に優れており、クラウドファンディングの告知には最適なプラットフォームとなる。継続的に投稿し、活動の進捗を発信することで、多くの人に知ってもらうことができる。



まとめ


クラウドファンディングは、決して「魔法の資金調達方法」ではない。特に学生団体にとっては、銀行口座の問題やリターンの準備など、多くのハードルがある。しかし、「学生ならではの強み」を活かし、共感を生むストーリーを発信することで、大きな支援を得ることができる。

成功の鍵は、「支援者の立場になって考えること」と「地道な努力を惜しまないこと」。クラウドファンディングを単なる資金集めの手段ではなく、プロジェクトの価値を伝える機会と捉え、計画的に進めることが大切だ。

 
 
 

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