700万円を動かした、高校生のプレゼンができるまで
- hayabusaracing2025
- 7月24日
- 読了時間: 4分

このプレゼンは理性にも感性にも訴えかけない、なぜこんなチームを支援する人がいるのかが不思議だ。
そんなことを言われながら始まった我々 CHANGE HOLDIGNS Hayabusa Racing の資金調達のプレゼンテーション。決して気持ちの良いプレゼンテーションではなかったが、一年を通して徐々に改善していき、今はどこに行っても「素晴らしいプレゼンでした」というコメントを聞けるようになった。
その上、高校生6 + 3人の合計9人のチームで今年の9月に行われるシンガポールでのSTEM RACINGという大会(詳細はこちら)に向けて合計700万円近くの資金を集めることができた。
高校生である、学生が挑戦している、運が良かった、これはもちろんのことだが、序盤と終盤とではプレゼンを聞いて「ぜひ応援させてください」と言われる量は圧倒的に違った。事実、スポンサーの大半は2025年に入ってから獲得している。
ここで我々のプレゼンテーションをどう「良い」ものにできたのか、過去のひどいプレゼンを作っていた時の自分でもわかるように噛み砕いて解説する。
「で、どうした?」
自分が最も苦労したのは、プレゼン自体ではなく、プレゼンのその手前の部分だ。プレゼン自体をどんどん色々アドバイスをもらいながら修正して、見た目を良くしても何かこう「当たる」感覚がなかった。
その時のプレゼンは以下のような構成だった:
我々の参加する STEM Racing はなんなのか
我々の今までの活動実績
なぜ我々が世界一になれるのか
スポンサーになるメリット
ご支援のお願い
普通にプレゼンテーションを作る場合はこんな構成になるだろうという構成ですが、この時自分は最も大きい問題点に気づいていなかった:
相手側に、「へーすごい活動じゃん、で、どうした?」と言われてしまうと何も言えない。
別に我々の活動が成功しようとしまいと別にどうでもいいと思われてもしかたなかかった。
プレゼン = ラブレター
これがはっきりわかったのがある方にプレゼンについてのアドバイスをいただいていた際に
ピッチはラブレターのようなものだよ。
と言われた時だった。
どういうことなのか:
我々は相手に「自分たちが熱い思いを持って共感してもらう」のと同時に「合理的に我々をなぜ支援すべきなのかを伝える」を行う必要がある。ラブレターは書いたことはないが同じ原理だそう。愛情と理性が両方合わさる必要がある。
そこで何を始めたかというと、自分がなぜここにいるのかについてのストーリーを語ることにした:昨年度負けて悔しい思いをしたこと、学校にF1好きがおらずチームを設立できなかったこと、ここまで限られた予算の中で研究開発を頑張ってきたこと。
そうすると急に、プレゼンを本当に聞いてくれる人が増えた。耳を傾けて応援しようと思っていただける人が増えた。しかし、スポンサーを獲得するのにはここからが勝負だった。
理屈がないのに理屈を作り出す
元々我々のチームの目標は単純に世界一になることであった。しかし、どっかの知らない学生が世界一になるのを支援したところで何かメリットが誰かにあるわけではない。なので、理屈をなんとか捻り出す必要があった。
それまでに我々が薄々感じていた課題が:自分たちと同じような学生がなかなかいない、ということだった。
そこで、我々のチームの「ビジョン」を変えた。
ただ世界一になるのではなく、日本から世界一になるようなチームがいっぱい出るようにしようと、海外のように学生が主体となってスポンサー集めをして車体開発をするチームがたくさんできれば日本の未来は明るいのではないかと。
こうすると急に自分たちの活動に「支援する意味」ができる。大義といったところか。
これを軸に自分たちのプレゼンを再構築した結果、以下のような構成に最後はなった:
2年前の世界大会で負けた経験
この大会は実際どういう大会なのか
なぜこの大会がユニークなのか
大会で負けて感じた世界との差
大会で感じた日本に足りないもの
自分たちがどうこの「日本に足りないもの」を補えるのか
その過程で世界一も同時で目指す
スポンサーになるメリット
このような構成に変えた瞬間に、資金も応援するという声も圧倒的に増えました。
結論
プレゼンに必要なものは大きく5つだと思います:
興味をひくストーリーや事実
課題提起
自分たちの活動がどうその課題に影響を与えられるか
情熱
支援するメリット
ぜひ、特に学生団体を運営している方でこのブログを読んでいただいている方は、実践してみてください! 実践してみてください!
コメント